かんたんな筋肉の解説を心がけて書きます。今日の話題は「長母趾屈筋」です。ふくらはぎから足の親指まである非常に長い筋肉です。
「むすがしい漢字なので頭に入ってきません!」というのが正直なところかもしれません。見慣れてない漢字が多いですものね。
そんなむずかしい漢字を分かりやすくする方法を解説したいと思います。難しい言葉を分解してみる方法です。
解剖学用語は分解して理解しよう
まずは長母趾屈筋という漢字を分解してみます。↓
- 長い
- 母趾(足のおやゆび)
- 屈(まげる)
- 筋肉
まとめると以下のようになります。
「足のおやゆび」を「曲げる」「長い」ほうの「筋肉」
↑こう書くと分かりやすいですよね。
医療の世界では親指(おやゆび)のことを「母指(ぼし)」といいます。ご存知のとおり指は手と足の両方にありますので、以下のように分けて書きます。
- 母指:「てへん」なので、手の親指のこと
- 母趾:「あしへん」なので、足の親指のこと
もう一度「長母趾屈筋」と見てみましょう。「足の親指を曲げる長いほうの筋肉」と脳内変換できれば上出来です!
こちらが長母趾屈筋の図になります。ふくらはぎの奥の方から内くるぶしを通り、足の親指(母趾)の一番先まで伸びています。
まとめ
足の親指を曲げる筋肉の名前を解説しました。筋肉の名前には、その筋肉の大きさや働きなどがそのまま名前になっているケースが多いのですが、長母趾屈筋はその典型例です。そのような読み方を知ることで、医療系の記事が読みやすくなり、みなさまの体についての理解が深まればいいなと思っています。
長母趾屈筋は様々な足の痛みの原因となる筋肉です。外反母趾(がいはんぼし)や内くるぶし・足底部の痛み、そしてO脚は長母趾屈筋が悪さをすることが多いのです。後日、それらの痛みと長母趾屈筋の関わりについても書きたいと思います。
基本項目のまとめ
項目 | 長母趾屈筋 flexor hallucis longus muscle |
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起始 | 腓骨後面の下方2/3・下腿骨間膜・筋間中隔 |
停止 | 母趾の末節骨底 |
作用 | 足関節の底屈、母趾IP関節の屈曲、足関節の内反 |
神経支配 | 脛骨神経 (S1~S2) |
栄養血管 | 脛骨後下行枝、脛骨後枝、足底内側動脈枝 |